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世界の評価は「日本<東南アジア」。いまアツい国はどこなのか? 「ダボス会議」でわかった成長市場の真実【林直人】

異能の起業家・林直人 「ダボス会議」裏側潜入記 #04

■ 裏社会の影響が強い国

 ダボス会議では各国の投資リスクも熱心に議論された。カンボジアやラオス、ミャンマーについては、法制度が十分に機能しておらず、実質的に裏社会の影響力が強い地域となっているため、投資先としての期待は薄い。正当な裁判すら通じないケースも多く、ビジネスリスクが極めて高いのだ。

 一方、石油資源に恵まれたブルネイは安定した経済を維持し、隣国マレーシアとも密接な関係を築いている。生活水準も比較的高い。しかし、日本と比較して特別な投資メリットがあるかと言えば、微妙なところだ。

 ダボス会議で繰り返し指摘されたのは、各国の政治体制と経済発展の密接な関係だ。マレーシアやシンガポールは商業国家として一定の成熟を遂げる一方、ベトナムのような国々はこれから本格的な成長期を迎えようとしている。フィリピンのように社会構造の改革が求められている国もある。

 これらの現実を踏まえた上で、世界のリーダーたちは各国の特性に合わせた戦略を模索している。世界経済の変革を担うのは、結局のところ、これらの新興市場とそこで働く人々の力なのだ。

 ダボス会議で私が特に可能性を感じたのは、インドネシアなどの人口大国における女性向け健康製品市場だ。これらの国では2050年に向けて人口が爆発的に増加する一方で、女性の人権や健康に関する支援が依然として不足している現状がある。

 とくに生理用品やつわり対策の薬といった女性向け商品の普及率が極めて低い。この分野は急速に市場が拡大しており、日本企業にとっても大きなビジネスチャンスとなり得る。

 フィリピンやインドネシアの一部地域では、今でも生理用品を1パック単位でしか購入できない状況だ。日本製品のような高品質な生理用品を少量ずつ販売するビジネスモデルが、新興市場で注目を集めている。

 これらの市場は単なる消費地ではなく、これからの世界経済を牽引する存在になる可能性を秘めている。ダボス会議でも、こうした市場での成長戦略が真剣に議論され、各国のリーダーたちは次なる一手を模索していた。

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林直人

はやし なおと

起業家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校時代にうつ病を患いながらも、独学で慶応義塾大学環境情報学部に入学。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」(https://everydayprep.jp/)を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶応・上智を中心に合格者を多数輩出している。著書に『小論文はセンスじゃない! 』(エール出版)などがある。

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